大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)115号 判決

控訴人は、まず本件手形は控訴人が鹿島建設株式会社から融資を受けた金百万円を返還するために、同会社にあて振り出されたものであるが、同会社の控訴人に対する金百万円の融資は、不法原因給付であると主張し、不法原因にあたる事実として、控訴人は東京都が資本金の半額を出資する東京都競馬株式会社の発起人として、その設立に参加し、鹿島建設株式会社を東京都競馬株式会社の建設する大井競馬場建設工事の請負契約につき指名入札に参加させ、請負契約を締結するに至らしめるよう便宜の措置をとる代償として鹿島建設株式会社から金百万円を融資せしめたもので、右は商法第四百九十三条の罰則違反の行為であることをあげているのであるが、原審及び当審における控訴人(被告)本人尋問の結果によるも、鹿島建設株式会社が東京都競馬株式会社の発起人たる控訴人に依頼したことは、同会社の建設する大井競馬場建設工事の請負契約の競争入札に参加するだけのことであつて、特に鹿島建設株式会社の利益をはかり東京都競馬株式会社を害せんとするものでないのであるから、右の請託は商法第四百九十三条にいわゆる「不正の請託」にはあたらないと認めるのを相当とする。

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